2007年10月 ソースカツ丼ツー 〜ケータイ小説風〜

作者:Satoo

第一章  道の駅「クレール平田」



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奇跡は、おこる。と信じたい。

誰にでも起こるわけではないが。

でも、それを奇跡としてほしい。

ただの鯛長が気まぐれで

早く家を出ただけとは考えないでほしい。


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奇跡が起こったのである・・・。

鯛長夫婦、初めてのいちばんのり&集合時間30分前集合



いちばんのりは、退屈だ。

今まで人を待ったことがないから

時間の使い方を知らないだけかも知れないが。



愛知名物 モーニングで

待つことにしよう。
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 モーニングである。

コーヒー300円に、コレだけのサービスが無料。

これが愛知のクオリティ。



クレール平田は岐阜県の道の駅だが、

まあ、愛知の隣だし、

時々愛知扱いしてもまあいいだろう。





モーニング食べてると、ぞくぞく集まってくるメンバー。

みんな、モーニングを注文する。



福井県人がソースカツ丼で育つのなら

愛知県人はモーニングで育つ。

といっても過言ではないだろう。





ゆっくりした朝食をとると、

もう8時半、集合時間。


お初の「K」さん、「運ちゃんさん」

出迎え忘れた。

いつもの朝のJellyfishっぽい、風景。





ブリーフィングが始まる。

「途中離脱の方も、家に着くまでがツーリング・・・」

鯛長の声が響く。

いつも解散時に言う、このセリフ。

なぜ出発時に?


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集合写真である。


このとき、すでに、鯛長は

解散時の新たなキャッチフレーズを

思いついていたのかもしれない。




第二章 赤と黒の新型





彼らの名は、「K」「運」と言った。

駆る愛機はZZR1400とCBR1000RR

それぞれ190馬力、172馬力と

ハイパフォーマンスを驕るモンスターマシンである。



モンスターという名を冠する鯛長機は

100馬力である。どうでもいいけど。



特にKさんのZZR、納車から一ヶ月。

走行距離、3000km。



彼らと同じペースで走っていたら、

鯛長モンスターは21万キロ走っていなければいけない計算だが

まだ3万キロしか走っていない。どうでもいいけど。



鯛「このまま北上して国道303で木之本へ・・」

雷「関が原まで出たら、国道365に併走する農道で行けば早い。」

雷「そのまま国道365で敦賀まで行ったほうが早いよ。」

Kさん「ああ、そっちのルートね・・・・・・」



鯛長案あっさり却下。

国道365で敦賀へ向かうことに。



Kさんを先頭。

にしたらまずいよね。やっぱり。

当初は雷虎さん先頭、途中で鯛長先頭になる。

だいぐ〜と雷虎さんは途中で離脱

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鯛「次は、左かな?」(←独り言)

Kさん「次は右ですよ」

鯛「あ、すいません」

Kさん「この辺わかりにくいので、先導します。」

鯛「ありがとうございます」



(疾走するKさん後姿の写真)

鯛「・・・・・・・・・・・」

もう、そのうち、Kさんが一人で先行して、

分岐点でまっとるがや・・・・



こうして、先頭はKさん

お初の方に先頭

という隊列で、くらげ一行は進軍していく。
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第三章 ソースカツ丼との邂逅





敦賀に入る。

あっちの路地を右。

こっちの路地を左。

すべてKさん任せ。



ヨーロッパ軒到着(早っ!!)



店内はジャージ姿の客でごった返す。

この日行われた「敦賀市民マラソン」参加者たちのようだ。

少し待って、全員着席。
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メニューには

カツ丼(注1)

パリ丼(注2)

スカロップ(注3)



魅力的な言葉が並ぶ。





注1:福井ではもはやカツ丼といえばソースカツ丼のようだ。
  だしと卵で閉じるなんて軟弱なものは存在しない。

注2:ミンチカツ丼のようだ。メンチではなくミンチという
  ところに歴史とこだわりを感じる。

注3:カツレツの上にデミグラスソースがのったもの。
  コレが炒めご飯の上にのると、
  北海道名物のエスカロップになる





カツ丼を頼む。

「ソースカツ丼ください」

「ああ、カツ丼ね」

店員さんに言い直される。

少し気恥ずかしい。


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これが福井のソースカツ丼である。


大盛りご飯の上に、たれのかかった3枚のカツ。

2枚を丼の蓋によけ

1枚ずつ食すのが福井流。



多いな。ご飯。



くどくなってきたな。

キャベツでさっぱりしたいな。



・・・・・・・・・・・・・・・・・。

鯛長、完食。



完食半分、残した者半分か。



また大食いツーリングになってしまった。



さて、腹ごなしに帰るか。
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腹ごなしに腕立て伏せである。



第四章 あらこ覚醒 



Kさん「ここから気比の松原、水晶浜で休憩しましょう」

鯛「了解しました。先頭お願いします」



あれ、Kさんお初だよね。

なんか運ちゃんさんも

もうずっと前から知り合いのような

そんな感じが・・・・・

先頭、任せて、いいか。もう。

こんだけ慣れあえたし。



松原をぬけ



おお、日本海や〜


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微妙に窮屈そうである。


この時、すでに異変が起きていた。

あらこさんの身体の異変に

あらこさん本人はまだ気付いていなかった。



お水さんが

水着姿になったサーファー美女を

横目でちらちら見ているとき
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この寒い中にもサーファーがいるのである。


ぽんたさんは

襲いくる日本海の荒波で

腰砕けになっていた。
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荒波に飲まれる寸前である。



Kさん「国道161号で琵琶湖に抜けましょう」

鯛「御意」



我々の隊は南へ疾走し、

道の駅「マキノ追い坂峠」へ。



無料で配られる牡丹鍋にくいつくメンバー。

まだ食うか。



誰かが気付く。

「あれ?あらこさん」

「肩が、以上に張ってない??」



あらこ「ああ、肩パットが入ってるから」



「ずいぶん、しっかりとしたパットなんだね」

(不意に、肩パットに触る)

「・・・・長いね、この肩パット」

「っていうか、肘パット短くね?」



あらこ「・・・・・・・・・・・・・・」


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随分な肩幅である・・・。


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めでたく元通りになったのである。



後に語り継がれる、「あらこ肩パット事件」である。






第五章 エピローグ




休憩後、琵琶湖畔から

奥琵琶湖パークウェイへ入る。



あっという間に見えなくなる

Kさん

運ちゃんさん

クロスクーターさん







クロスクーターさん!?



早いよ、このシルバーウイング!!

びっくり。


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パークウェイを超え、

もと来た農道を

薄暗がりのなか

帰ってゆく。



道の駅「クレール平田」。

長良川の河川敷は

真っ暗で

寒かった。



解散式。

「ツーリングは一人ひとりが主役です。

 初めての参加して、

 先頭を走るのも、

みんなが主役だったらアリでしょう。

鯛長、少しも変なことだとは思いませんよ。」



お初の方に先導&道案内をしてもらうという

前代未聞のツーリングに

むなしく響く鯛長の言い訳。



鯛長が寒い雰囲気を一団と寒くして

本ツーリングは終了したのである。



おしまい。



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2007年11月11日
文・写真:Satoo
編集:ぱとらっしゅ